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近大司書資格取得と好きな本など

5709 図書館情報資源概論レポート【近大通信教育部 司書資格】

書き方がよくわからず困っていたところ、先輩方の公開されているレポートを参考にしてスムーズに合格することができたので、私も自分のレポートを公開しようと思います。※レポート丸写しして再提出になる例が増えているようです。自己責任で参考としての利用をお願いします。

レポート作成イメージ

【設題】(1)ネットワーク情報資源とはなにか、(2)公共図書館が提供しているネットワーク情報資源の事例や特徴を述べるとともに、(3)今後の収集の在り方や課題についても述べなさい。 

【解答】
1、はじめに
 数千年も前から図書館は「本」という媒介を通して情報や知識の共有が可能な施設として人々の「理解」と「知恵」の獲得を支援するための社会装置として存在している。
 近年、世の中のコンピュータ化により図書館は書籍や資料、情報といった資源を「本」という有形なものに加え、電子上(デジタル上)に存在する無形の資源を取り扱っている。今回は図書館の持つ無形資源のひとつ、ネットワーク資源とは何かとその特徴について概説し、公共図書館による事例や特徴に触れた上で図書館として今後の資源収集の在り方と課題について述べていきたい。

2、ネットワーク資源とは何か
 インターネットを基盤とし、ネットワークを介して利用者に公開、配信される資料や情報のことをいい、探索、入手が可能である。具体的なものとして書籍、ニュース、映画、演劇、音楽、ゲームなどといったデジタル化されたコンテンツが含まれる。Apple、Amazon、Googleなどの世界的企業が2010年の電子書籍を皮切りに次々とデジタル媒介を開発、販売しているように、ネットワーク情報資源を閲覧するにはソフトウェアとそれを動作させるためのハードウェアが必要になってくる。ハードウェアにはパソコン、タブレット、スマートフォンなどがある。ソフトウェア上では、デジタル化されたファイル形式を解釈し利用者のタイミングで文字や図表、音声を閲覧、視聴、ページ遷移、再生、繰り返しといったアクションを行うことができる。大抵はwebブラウザがあればこれらのアクションが可能である。このようにネットワーク情報資源を取り扱うプラットフォームはさまざまな形で顕在化しており、図書館においては資源を「所蔵する」という概念から大きく外れ、情報資源を取り巻く環境は今まさに大きく変化している。

3、公共図書館が提供しているネットワーク情報資源の事例や特徴
 国立国会図書館は2009年の著作権法第31条第2項新設により、資料の保存を目的とし国立国会図書館が所蔵する資料のデジタル化が可能となった。現在これらの資料は国立国会図書館デジタルコレクションで確認することができるようになった。一部は申請することで閲覧、あるいは公衆送信権などの法律により制限のかかっている資料は公共図書館でのみ閲覧が可能となっている。
 ネットワーク情報資源のサービス提供について具体的な例がある。2002年の北海道・岩見沢市図書館、2005年の奈良県生駒市図書館では、電子書籍端末を導入し閲覧、貸出サービスを行っていた。先駆的な試みに図書館サービスの未来がみられたが、当時、書籍出版数が少なかったことと通信設備が低速であった背景から、書籍プラットフォーム(Time  Town)が終了し、生駒市図書館ではサービスの提供を終了している。現在、電子書籍貸出サービスは非来館型が一般的で、東京都・千代田区立図書館では2007年11月に「千代田web図書館」を開始した。貸出点数を上限5冊までとし、2週間の貸出機関が過ぎると自動的にデータが消滅するなどの方法がとられている。大阪市立図書館や秋田県立図書館など、54館が電子書籍サービスを導入している。(2015年現在)公共図書館がインターネット上で提供するサービスは書籍だけではない。2005年11月に日本でクラシックやジャズを中心に配信が開始された「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」からアクセス権を購入し、利用者にIDとパスワードを発行し、自宅にて期間限定で視聴できる音楽配信サービスを行っている。2015年9月現在では、全国約120の大学図書館、学校図書館、公共図書館がこのサービスを導入している。

4、今後の収集の在り方や課題について
 図書館は今後、利用者の幅広いニーズに沿ったサービスを提供するため、先に述べたような無形の情報資源についても全てを収集すべきである。しかし、デジタル化において大きな課題として権利の問題がある。たとえば著作権の処理の問題である。著作者の許諾を得た上で、図書館はその資料を利用可能としているのだが、過去の莫大な資料の著作元の調査はなかなかスムーズに進むものではない。また、資料以外の写真や動画に関しては著作権以外にも人物の映り込み肖像権の問題が加わるため、その解決が難しく、ほとんどの図書館においては近年の動画配信や放送番組などは収集対象とはなっていない。

5、おわりに
 このようにさまざまな課題を抱えているネットワーク情報資源ではあるが、国民の知る自由を保障する機関として社会的な役割を担っている図書館は、時代のあるべき姿を常に掲げ、法令を遵守しながら課題の解決に取り組み、知識収集の最大中枢機関として利用者の求めるサービスのあり方を探っていくことが重要である。

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参考文献
藤田岳久『ベーシック司書講座・図書館の基礎と展望8 図書館情報資源概論』学文社