書き方がよくわからず困っていたところ、先輩方の公開されているレポートを参考にしてスムーズに合格することができたので、私も自分のレポートを公開しようと思います。※レポート丸写しして再提出になる例が増えているようです。自己責任で参考としての利用をお願いします。
【設題】
学校図書館の利用教育の指導内容を挙げ、それぞれについて述べるとともに、「図書館利用教育ガイドライン-学校図書館(高等学校)」を参照(日本図書館協会ホームページの「委員会」の利用教育委員会にて全文公開。冊子は「参考書の紹介」参照)し、利用教育の手段はどうあるべきか、貴方自身の考え方を含め、論じてください。
【解答】
Ⅰ.学校図書館の利用教育の指導内容について
学校図書館法において「図書館資料の利用その他学校図書館の利用に関し、児童又は生徒に対し指導を行うこと」と規定されており、学校図書館は「図書館で資料を利用する場合に必要とされる基礎知識や技術的なものを学習させ、豊かな読書や調査ができるようにすること」を目標にしている。
この目標を達成するための指導内容を文部科学省、全国図書館協議会(SLA)、日本図書館協会が発表しており下記にまとめる。
1.文部科学省が刊行した『小学校・中学校における学校図書館の利用と指導』(1983年)の内容。
(1)図書館及びその資料の利用に関する事項
(2)情報・資料の検索と利用に関する事項
(3)情報・資料の収集・組織と蓄積に関する事項
(4)生活の充実に関する事項
(1)~(3)は他の指導内容と同じく図書館の利用方法や調査の仕方についてだが、(4)では読書習慣を見につけ読書に関する活動を活発にするという内容になっている。
2.全国学校図書館協議会(SLA)発表の『自学能力を高める学校図書館の利用指導』の中の『学校図書館の利用指導』(1982年)では
(1)図書館ととの利用
(2)図書館とその取り扱い
(3)資料の探し方
(4)参考図書の利用法
(5)図書以外の資料の利用法
(6)調査研究のまとめ方
とあり、小学校低学年から高等学校までを対象とした内容になっている。
そこから改訂をくり返し、2004年には『情報・メディアを活用する学び方の指導体系表』となり、
(a)学習と情報・メディア
(b)学習に役立つメディアの使い方
(c)情報の活用の仕方
(d)学習結果のまとめ方
に区分され公表された。
デジタル化が広がる環境の変化に沿って「図書館」という言葉から「メディア、情報」という言葉に変わってきている。
3.日本図書館協会は『図書館利用教育ガイドライン-学校図書館(高等学校)版-』(1998年)[注1]において、
(1)印象づけ
(2)サービス案内
(3)情報検索法指導
(4)情報整理法指導
(5)情報表現法指導
とし、「利用者の情報利用は、図書館で情報を収集しただけでは完結しない。収集された情報は整理、活用、発
信の段階を経て、情報利用の全体が完結する。」と述べている。
Ⅱ.利用教育の具体的な手段
日本図書館協会が挙げている指導目標は上記の5段階であり、それぞれに具体的な手段が示されている。
(1)印象づけ
広告媒体、サイン、ブックトークなど
(2)サービス案内
オリエンテーション、パンフレット配布、動画、館内ツアー、窓口対応、投書箱、リクエストコーナー設置など
(3)情報検索法指導
パスファインダー、図書館クイズなどのイベント、講習会、学習ツール、自由に利用可能な検索システム導入
(4)情報整理法指導
学習ツール、講習会、情報整理・加工コーナー設置など
(5)情報表現指導
学習ツール、講習会、情報生産コーナー、発表の場の設置など
また、図書館と各教科との協力のあり方を「関連なし」「関連あり」「統合」の3つの段階に分けて提示している。現在、各教科と関連づけた学習が行われている「関連あり」の段階である学校図書館が多い。
Ⅲ.どうあるべきか
例えば、椙山女学園で行われている図書館メディア・オリエンテーション、探索実習「知の探検家」[注2]のような調べ学習はとても効果的である。
これは「総合的な学習の時間」とされ全教科と図書館の共同企画であり、図書館が利用教育を担当するというものであり、調べ学習の土台となるよう生徒が与えられたテーマについて「調べて・まとめて・発表する」という内容である。
「人は何か行動しようとするとき、その計画達成のために情報を必要とする。目的をよりよい形で達成するために、人は情報を収集し、選択し、整理し、それを利用して行動する。」[注1]と図書館利用教育ガイドラインにもあるように、まず目的があり、そのために情報を得たいという順序が大切であり、動画などで図書館の利用方法や情報の検索の仕方を学習して終わりというよりも、実際に知りたいという目標を達成するために行動することになるので興味をもって自主的に学びやすく、達成感や成功体験としても残るのでとてもよい「印象づけ」ともなる。
こういったイベントを学校の年間行事に組み込むなどし、図書館を利用する機会を増やすこと、また、椙山女学園のように図書館の利用教育に重点を置いている学校とそうでない学校の差が広がりつつあるので、このような取り組みをする学校図書館や学校の情報を広めて増やしていくことが大切である。
文字数 1905文字
参考文献
注1 図書館利用教育委員会『図書館利用教育ガイドライン-学校図書館(高等学校)版-』 日本図書館協会(https://jla.or.jp/portals/0/html/cue/gl-s.pdf) 2018年◯月◯日閲覧
注2 図書館利用教育委員会『情報リテラシー教育の実践』日本図書館協会 p64
※提出したものより一部修正しました。
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